ヨーロッパの女性たちに見習うこと。
私は、スイスのローザンヌで高校時代を過ごした。
この頃のスイスには美しいアルプスの山々や湖はあったが、若者の遊べる場所はなかった。
勉強するには最高の環境だが、ティーンエイジャーの私には退屈すぎて、最初の半年はホームシックになる。
そんな私も徐々に学校生活に慣れてくると、休みの日は電車に飛び乗り、ローマ、ミラノ、パリなどの大都市に遊びに行く機会が増えた。
各地での過ごし方は、ともかくブラブラ街を歩き回って、蚤の市や狭い路地を散策したり、色々な教会(ヨーロッパの教会はどこもステンドグラスが美しい)や美術館などに足を運んだ。
そして、歩き疲れたら、決まって近くのカフェに入り、テラスに座ってはボッーとピープルウォッチング・・・。
ヨーロッパの女性は着こなしに品があり、特に大人の女性のベージュや茶系のグラデーションの色使いや、アクセントになる小物のポイント使いはとても上手。
特にイタリアンマダムたちのオシャレはカッコ良かった。
胸が大きく開いた大胆な柄のワンピースに大きめなイヤリング、何重にも重ねたブレスレットをジャラジャラつける。
年齢関係なく、どこか上品で女性らしい。
フランスの女性はもう少しシンプルなコーディネート。
例えば白ベースのセットアップにアクセサリーで色を足し、マニッシュでボーイッシュに着こなしたり、
ヴィンテージの物と流行のアイテムをミックスしたエレガントなコーディネートも素敵だった・・・。
多感な時期の私の目に映ったのは、ヨーロッパの女性たちが外見や服装に完璧を求めず、リラックスして洋服を楽しんでいるようすだった。
自分自身が快適なことが、一番大切だと知っていたのだろう。
結局のところ、「どう服を着るのかでなく、どう着こなすか」 がファッションを楽しむ大事なエッセンスだと思う。
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